メール処理もバイブコーディングで変えられる
今回、Kurage Mail という小さなメール処理環境を作りました。
heteml上にOSSのWebメールであるRoundcubeを導入し、そこに少しカスタマイズを加えて、Codexからもメールを扱えるようにしたものです。
これで何ができるか。
一言で言えば、メールを「読むだけの受信箱」から「AIと一緒に処理できる業務データ」に変えられます。
メールは、まだ会社の重要データが集まる場所
AI活用というと、最新のSaaSやAPI連携を想像しがちです。
でも実際の会社では、重要な情報の多くが今でもメールに届きます。
- 問い合わせメール
- 見積もり依頼
- 注文通知
- 決済通知
- 予約通知
- 配送通知
- 顧客からの相談
- 取引先からの連絡
このメールを人間が毎日開き、読んで、判断して、転記して、返信している会社は多いと思います。
ここにAIを入れられると、業務改善の効果はかなり大きくなります。
Kurage Mailでできるようになったこと
今回の構築では、Webブラウザからメールを見られるRoundcubeをベースにしました。
そこに、宛先別の受信箱や、外部メールアカウントを見る仕組みを追加しています。
たとえば、社内の集約用メールボックスには、代表メールや通販注文用メール宛てのメールが転送されています。 このような転送メールを、宛先ごとに絞って見ることができます。
さらに、Yahooメールなどの外部POPメールも、サーバに残したまま確認できます。
実際にCodexから、特定のYahooメールを読み取り、送信者をYahooアドレスにしてGmailへ転送するところまで確認しました。
これは小さな一歩ですが、経営者にとってはかなり大きな意味があります。
「このメールを処理して」ができる
従来のメール処理は、人間が画面を見ながら手で行うものでした。
でも、Codexからメールを扱えるようになると、次のような指示が現実的になります。
- この注文メールを一覧にして
- この問い合わせを分類して
- 重要そうなメールだけ抜き出して
- このメールを担当者に転送して
- 今日の売上通知を集計して
- 先月の注文メールから売れ筋商品を出して
これが、メール処理のバイブコーディングです。
「メールAPIを設計して、要件定義して、システム開発会社に依頼する」ではありません。
まず今あるメールを見ながら、AIに指示して、必要な処理をその場で作っていく。
小さく作って、動かして、改善する。
これがVWorkで伝えているバイブコーディングの実践です。
ネット通販の注文メールは、売上分析の材料になる
今回特に重要なのは、通販注文用メールボックスにネット通販の注文メールがたまっていることです。
注文メールには、売上分析に使える情報が含まれています。
- 注文日時
- 商品名
- 個数
- 金額
- 顧客属性のヒント
- 注文頻度
- 季節性
- 売れ筋商品の変化
もちろん、理想はEC管理画面やデータベースから直接取得することです。
しかし現実には、古いシステム、外部カート、管理画面の制約などで、すぐにAPI連携できないこともあります。
その場合でも、注文メールが残っていれば、AIで読み取り、CSVやJSONに整理し、売上分析に使える可能性があります。
「どの商品が最近売れているか」
「単価が高い注文はどれか」
「曜日や時間帯で傾向があるか」
「リピートにつながりそうな商品は何か」
こうした分析を、メールを入口に始められます。
経営者が自分の言葉で業務改善できる
バイブコーディングの面白いところは、経営者が自分の言葉で業務改善を始められることです。
たとえば、次のように言えばよい。
「通販注文用メールの注文通知から、今月の商品別売上を出して」
「問い合わせメールを、見積もり、クレーム、営業、その他に分類して」
「重要そうなメールだけ朝9時にまとめて」
これを実現するには、裏側ではPOP、IMAP、SMTP、文字コード変換、メール本文解析、CSV化などの技術が必要です。
でも、経営者が最初からそれを全部理解する必要はありません。
必要なのは、自社のどのメールに価値があるかを知っていることです。
そこから先を、Codexと一緒に実装していく。
メールはAI活用の入口になる
会社のAI活用は、いきなり大きなシステムを作る必要はありません。
毎日届くメールをAIと一緒に処理するだけでも、十分に効果があります。
- 読む時間を減らす
- 転記ミスを減らす
- 注文や問い合わせの傾向を見る
- 対応漏れを減らす
- 経営判断に使う数字を早く出す
Kurage Mailは、そのための入口です。
Roundcubeで人間が確認できる。
Codexでメールを処理できる。
注文メールを売上分析に使える。
この状態を作ると、メールはただの連絡手段ではなく、会社のデータ資産になります。
技術解説も公開しました
技術者向けには、Roundcubeの導入、外部POPビュー、文字化け対応、CodexからのSMTP転送などをAI OSS技術解説にまとめました。
https://katsushi2441.github.io/vwork/articles/2026-06-04-kurage-mail-roundcube-codex.html
VWorkでは、このように現実の業務を見ながら、AIと一緒に小さく仕組みを作っていきます。
メール、Excel、EC、SNS、動画、レポート。
会社にすでにある業務データを、AI時代の操作対象に変えていく。
これが、経営者向けのバイブコーディングです。
関連リンク
-
VWork Blog
https://katsushi2441.github.io/vwork/blog/ -
AI OSS技術解説
https://katsushi2441.github.io/vwork/articles/ -
株式会社エクスブリッジ
https://exbridge.jp/