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入札11万円のキーワードを見つけたので、AI名刺解析を1日で作った——Sansanが君臨する市場に買い切り55,000円で入る実測記録

2026年8月19日

名古屋でAIシステム開発の会社をやっています。今日も新製品を1日で作って出品したので、意思決定の起点になった数字から全部書きます。製品はAI名刺解析・名刺台帳「Kurage AI Meishi Analysis(kaima)」——スマホで名刺を撮って投げると、AIが読み取って下書きに登録し、人が原本と見比べて承認した分だけ台帳に載るシステムです。

起点:入札111,861円という数字

「脱・有料ソフト」シリーズのキーワード実測をしていて、桁のおかしい数字に出会いました。Googleキーワードプランナーで「sansan 名刺 管理 料金」の広告入札上限が111,861円。当社がこのシリーズで測ってきた中の最高記録です(それまでの最高は「電子契約 無料」の6,281円でした。その18倍)。

1クリックに11万円払ってでも会いたい検討者がいる——名刺管理は、それほど高い支払い意思が実証されている市場だということです。同時に、この入札額では広告の正面戦は不可能だとも確定しました。

もうひとつ具体的な価格も見つけました。kintone向けの「AI名刺解析プラグイン」(NovelWorks社)は月額20,000円で1,000枚まで、超過100枚ごと300円という公開価格です。一方、いまのマルチモーダルAIが名刺1枚を読み取る原価は1円未満。この差額が、そのまま製品の入る隙間です。

作る前に、AI OCRの「本当の難しさ」を実測した

名刺のAI読み取りは昔から「難しい」と言われる領域なので、作る前にローカル12Bモデル(gemma系)とクラウド最上位モデルで読み取り比較をしました。テスト名刺は横書きビジネス名刺と縦書きの料亭名刺、それぞれ「きれいな画像」と「劣化画像」(傾き3度+ピンぼけ+影+低解像度=スマホ撮影の失敗を模擬)の4条件です。

つまりAI OCR名刺の敵はモデルの精度ではなく、①勝手な正規化(旧字体の髙→高) ②読めない項目の創作 ③撮影品質 ④自信満々の誤読の4つ。ここから設計が決まりました。

設計:読み取りはAI、確定は人

前日に作った入力ゼロCRM(kcrmagent)と同じ原則です。

構成は1ファイルPHP+SQLite。レンタルサーバーで動き、AIはOpenAI互換のvision対応API(BYOK)を設定するだけです。

成果物(今日から使えます)

考察:AIエージェント時代の製品は「完成品」と「土台」の2形態で売れる

今回の売り方は2段構えにしました。完成品(kappstore)と、内製化の土台としての開発手順書(Brain)——同じ55,000円です。ソースコードはMITで公開しているので、価値の本体は「検証済みの手順と実測ノウハウ」の側にあります。AIエージェントで内製できる時代の製品は、モノではなく「確実にたどり着くための地図」が商品になる——kvgwc・kcrmagentから3回続けて、この型で手応えがあります。

数字はいつもの実験ダッシュボードで公開しながら育てます。入札11万円の市場に、広告費ゼロ・SEO/AEOと実測記事だけでどこまで食い込めるか——結果もここで報告します。