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業務OSSカタログに、もう1つ入口を足した——同じOSSを「名前から」と「AIでできることから」の両方で引けるようにした話

2026年8月23日

名古屋でAIシステム開発の会社をやっています。今日は、同じ中身に、入口をもう1つ足した話です。

結論から書くと、AIでできること一覧というページ群を1,216枚作りました。中身は既存の業務OSSカタログと同じOSSですが、引き方だけが違います。カタログを畳んだわけではなく、いまも件数を増やしている最中です。

発端: OSSの名前を知らない人は、カタログを引けない

もともと業務OSSカタログを運用しています。世界中で使われている業務用オープンソースを、用途・ライセンス・日本語対応の実測つきで並べたものです。47件から始めて、いまは1,123ページ。生成は現在も進行中で、対象1,929件のうち1,535件まで来ています。

このカタログ自体は手応えがあります。1件1ページで、ライセンスも日本語ロケールの実ファイル数も実際に数えている。薄いページではありません。これは今後も伸ばします。

ただ、構造上どうしても「OSSの名前を知っている人」が入口になります

これらは、知っていれば強力な選択肢です。しかし中小企業の経営者が「Ghost」で検索するでしょうか。しません。そもそもGhostという名前を知らないから困っているわけです。

カタログが悪いのではなく、入口が1つしかないのが惜しい。そう考えました。

実測: 経営者は何と入力しているのか

推測で作らないために、Google広告のキーワードプランナーで日本の実検索数を取りました。以下は実測値です。

キーワード 月間検索数 競合
ai デメリット 2,400
ai メリット 1,900
ai 活用 事例 1,600
ai 業務効率化 1,300
ai でできること 880
ai できること 880
ai ができること 590
生成ai できること 590
ai 何ができる 480
ai で何ができるか 110

一方で、こちらが取りたかった語はこうでした。

つまり、地域名を付けた語にはそもそも需要がなく、需要がある語は「AIで何ができるのか」「メリットとデメリットは何か」という、まだ何も決めていない段階の問いでした。

そして重要なのは、この帯の競合がほぼ「低」だったことです。事例紹介やニュース記事は大量にありますが、「で、うちの会社の何が解決するのか」に具体物で答えているページは少ない。ここは空いていました。

だから、入口をもう1つ足した

やったことは単純です。カタログはそのまま伸ばしながら、同じOSSを「そのOSSは何か」ではなく「その業務をどうやるか」の側からも引けるようにしました。どちらかに寄せるのではなく、両方持つという判断です。

  業務OSSカタログ AIでできること
URL kurage.exbridge.jp/oss/ exbridge.jp/ai-system/
H1の例 Ghost ブログ運営を、Ghostで実現する。
入口 OSSの名前・カテゴリ 社内Wiki、請求書の発行、在庫管理…
誘導先 OSSカスタマイズ AI導入お試し

同じOSSを扱いますが、H1もタイトルも見出しも本文も誘導先も全部違います。重複コンテンツにならないよう、ここは意識的に分けました。片方が育てばもう片方にも人が流れるように、相互にリンクしています。

構成は次のとおりです。

失敗1: 27分類では、誰も検索しない言葉になった

最初は27分類で作りました。すぐに間違いだと分かりました。

分類名が「社内ナレッジ検索・マニュアル整備」のような複合語になってしまい、これは誰も検索しない言葉です。人が入力するのは「社内wiki」「マニュアル 作成」であって、その2つを足した言葉ではありません。

そこで、生成済みデータに入っている用途の記述5,252種を数え直し、実際に出てくる業務語を111分類に割りました。掲載が5件未満だと薄いページになるので、そこは作らず、公開は96分類です。

168 サイト・コンテンツ管理     113 社内ナレッジ検索
102 ECサイト・ネット販売       95 プロジェクト管理
 75 AIエージェント組み込み     71 請求・見積・経費
 …17グループ・96分類

失敗2: Ghostが「メール配信」に分類された

分類は正規表現で当てています。当初は「用途の記述に何回出てきたか」で決めていました。

これでGhostが「メール配信・メルマガ」になりました。理由は明快で、Ghostの要約が「モダンな出版や会員制、ニュースレター配信のための独立した技術です」だったからです。語の数だけ見れば、メルマガが勝ってしまう。

しかし「Ghostで検索する人」も「Ghostを提案される人」も、求めているのはブログです。

直し方は、要約と説明を3倍で重み付けしたうえで、カタログ側が独立に付けている category が一致したら加点するというものにしました。Ghostは category=cmskeywords に「ブログ」「CMS」が入っています。だから「ブログ運営」になる。

結果はこう変わりました。

OSS 修正前 修正後
Ghost メール配信・メルマガ ブログ運営
WordPress コンテンツ管理(CMS)
Grafana データの可視化
paperless-ngx OCR 文書管理・ファイル共有

主題の種類は27→85種に増え、最大でも157件(修正前は449件が1分類に集中)になりました。

なお、categorydevtools(512件・最多)のものは加点対象から外しています。中身がAI基盤から監視まで広すぎて、加点すると「AIエージェントの構築」が全部「開発作業の効率化」に流れてしまったためです。

失敗3: 量産したページが60点だった

自社のAI検索対応監査ツールで実測したところ、一覧ページが総合60点でした。内訳を見ると原因は明確で、

AI検索は、発信元を確認できないページを引用しません。そこで実在の情報だけで補強しました。

結果です。

ページ 修正前 修正後
トップ 61 83
一覧(請求書の発行) 60 79
詳細(Ghost) 69 78
参考: 手書きのAI開発支援ページ 68

量産したページのほうが、手で書いたページを上回りました。 AEOは86〜89(excellent)です。

入口を「AI導入で何ができるか」に作り替えた

最後に、トップページ自体を書き直しました。当初は「やりたいことから探す」というOSSディレクトリでしたが、これでは経営者の問いに答えていません。

いまの見出し構成はこうです。

3番目について、当社の考えを書いておきます。作業時間が減っただけでは利益は動きません。 減った時間の行き先を決めて初めて、人が価値を生む仕事に移り、そこで売上が動きます。だから最初のヒアリングで「削減した時間を何に使うか」を先に決めます。ここを飛ばすと「効率化したのに利益が変わらない」が起きます。

なお、効果を数値で保証する書き方はしていません。 業種と業務で差が大きく、根拠のない数字を掲げたくないためです。代わりに、初日3時間の無料ヒアリングで実際に測り、見込みが立たなければ「作らないほうがよい」と申し上げます。

実際に使ってみてください

そこから先の選択肢も、目的別に分かれています。

まとめ

数字は実測しながら、このブログで報告していきます。