VWork バイブコーディングフレームワーク

星23,700の優れたCRMが、日本で誰にも使われていない理由——日本語ファイルが無いだけでした。全2,392キーを訳して導入キットにした話

2026年8月24日

名古屋でAIシステム開発の会社をやっています。今日は「良いものが埋もれる理由」の話です。

Krayin CRMというオープンソースの営業支援ツールがあります。GitHubのスターは23,704。ライセンスはMITで、商用利用も改変も再配布も自由。インドのWebkul社が10年以上開発を続けています。

それなのに、日本語の解説がほぼありません。実測しました(2026年8月)。

  Zenn Qiita
Krayin 0本 9本
EspoCRM 0本 5本
参考: kintone 48本 100本以上

公式ドキュメントも英語のみです。理由を調べたら、単純でした。

本家に日本語ファイルが入っていない

Krayinの言語ファイルを見ると、こうなっています。

ar / en / es / fa / ko / pt_BR / tr / vi / zh_CN

アラビア語、ペルシャ語、韓国語、中国語、ベトナム語はあります。日本語だけがありません。

つまり、日本の会社が試そうとすると、全画面英語のまま使うことになります。営業担当者に「Leads」「Quotes」「Persons」と書かれた画面を渡して使ってもらうのは、現実的ではありません。

機能が足りないのではなく、日本語が無いだけで選択肢から外れていた。

全2,392キーを訳しました

翻訳しました。内訳はこうです。

ファイル キー数
Admin(管理画面の全体) 2,127
Installer(インストーラ) 249
WebForm(Web問い合わせフォーム) 11
GoogleContact(連絡先同期) 5
合計 2,392

本家へプルリクエストも提出しています。マージされれば公式配布に日本語が入ります。それまでは、当社が配っているものが実質唯一の日本語版です。

自分たちで使うために訳したものを本家に返す、という進め方をしています。マージされたら保守は本家に手放せますし、それが一番きれいな形だと思っています。

Krayinは何が良いのか

リードのかんばんです。これが芯です。

左から 新規 → フォローアップ → 見込み → 交渉中 → 受注/失注カードを掴んで隣の列へドラッグすると、それが進捗の更新になります。フォームを開いて、ステータスの選択肢を選んで、保存を押す、という手順が要りません。

そして列の見出しに、その段階の件数と合計金額が出ます。

新規(1) ¥800,000  フォロー(1) ¥2,500,000  見込み(1) ¥1,200,000  交渉中(1) ¥1,800,000  受注(1) ¥900,000

営業会議のために資料を作る、という作業が消えます。画面がそのまま資料です。Excelで案件管理表を作って毎週更新している会社には、ここが一番効きます。

Laravelをサブディレクトリに置くと、全ページが404になる

技術的に一番はまったのはここです。

Krayinは Laravel 12 の上に乗っています。共有レンタルサーバーのサブディレクトリ(/krayin/ など)に置いて、公式手順どおりに public/index.php へ書き換えで飛ばすと、トップから全部404になります。

原因は SCRIPT_NAME です。public/index.php を直接呼ぶと SCRIPT_NAME/krayin/public/index.php になり、Laravelがベースパスを /krayin/public だと誤認します。エラー画面すら出ないので、原因にたどり着くまで時間がかかりました。

解決は、ルート直下に入口の index.php を置いて SCRIPT_NAME を固定することです。数行のファイルですが、これが無いと何も動きません。

他にもいくつか。

どれも公式ドキュメントに書かれていません。

触れます

実際に動いているものを、ログイン情報つきで公開しています。

proto.exbridge.jp — ID demo@exbridge.jp / パスワード demo2026

新規から受注・失注まで6件のサンプルを入れてあります。カードを掴んで隣の列にドラッグしてみてください。それが進捗の更新です。金額も円で表示されます。

導入キットを5,500円で出しました

ここまでの全部を、キットとしてkappstoreに置きました(買い切り・税込5,500円)。

フォルダごとClaude CodeやCodexに渡せば、AIが手順書を読んで構築まで進みます。読み物ではなく、動かすためのものです。

ソフト本体は無料です。値段が付いているのは、日本語ファイルと、共有レンタルサーバーで動くところまで確実に届く手順に対してです。

EspoCRMとどちらを選ぶか

当社は両方のキットを出しています。用途で分かれます。

電話をかける仕事が中心なら EspoCRM。「通話」が標準機能で、架電の予定・結果・次回予定を記録できます。ただしAGPLで、画面から「EspoCRM」の表記を消せません。

案件の進み具合を見える化したいなら Krayin。かんばんが芯で、ドラッグで進捗が動きます。MITなので制約がありません。

迷ったら、両方のデモを触ってから決めてください。どちらもログイン情報を公開しています。

まとめ

構築ごと任せたい場合は、カスタマイズしてから御社のサーバーへ導入するところまで承ります(Vibe OSS・110,000円税込〜)。使っているサービスから置き換え候補を引きたい方はSaaSとOSSの対応表をどうぞ。判断に迷ったらKurage.AIに相談から聞いてください。