VWork バイブコーディングフレームワーク

LibreDeskを日本語で使う——メール・チャット・ヘルプセンターが1つになったオープンソースのヘルプデスク

2026年8月31日

名古屋でAIシステム開発の会社をやっています。LibreDesk というオープンソースのヘルプデスクを日本語で使えるようにしたので、何ができるソフトなのかを紹介します。

GitHubスター2,861、Go製、AGPL v3。Zendesk・Intercom・Front あたりの置き換えを狙った製品です。

1つの受信箱に、全部集まる

LibreDesk の中心にあるのはオムニチャネル受信箱という考え方です。

この2つが、同じ画面の同じ一覧に並びます。担当者はチャネルを意識せず、上から順に返していけます。メールはメーラー、チャットは別ツール、という分断が起きません。

チャットへの返信も、この受信箱から出ます。専用の管理画面へ移動する必要はありません。

ヘルプセンターが標準で付いている

よくある質問を公開するナレッジベースが最初から入っています。

問い合わせを減らしたいなら、ここが効きます。別サービスを契約せずに済むのは大きい違いです。

AIが一次対応して、無理なら人に渡す

AIアシスタントが、ヘルプセンターの内容を根拠にライブチャットへ自動応答します。答えられないときは人間に引き継ぎます。

「AIが勝手に答えて事故る」形ではなく、自社のナレッジベースに書いてあることだけを答える設計です。根拠のない回答が出にくくなります。

担当者側には Agent copilot があります。受信箱を離れずに、

ができます。

運用に必要なものが揃っている

小さなツールではなく、チームで回すための機能が入っています。

機能 内容
SLA管理 応答時間の目標を設定し、違反しそうな案件を通知
自動割り当て 担当者の負荷や条件に応じて自動で振り分け
オートメーション 条件に応じてタグ付け・担当変更・振り分けを自動実行
マクロ よく使う返信を保存。送信・タグ付け・担当割り当てをまとめて実行
CSAT 対応完了後に満足度アンケートを自動送信
分析 応答時間、解決率、担当者ごとの稼働
権限管理 役割ごとに操作単位で権限を設定
カスタム属性 契約プラン、初回購入日など任意の項目を顧客・会話に追加
SSO Google、Microsoft、OIDC に標準対応
API 外部システムとの連携

タグ・カスタムステータス・スヌーズ・全文検索といった、受信箱を散らかさないための道具も一通りあります。

日本語で使えるようにしました

ここが今回の本題です。

UIの1,536項目すべてを日本語にしました。受信箱、ヘルプセンター管理、SLA設定、権限設定、レポートまで、管理画面の隅々まで訳してあります。

日本語版のソースはそのまま公開しています。

本家にも提出済みです。 abhinavxd/libredesk#550 がマージされれば、公式の配布物をそのまま使うだけで日本語になります。

なお、本家に元々入っていた日本語には、画面に {name} のような記号がそのまま表示される箇所が25ありました。全部直したうえで提出しています。訳しただけでなく、実際に起動して画面を確認しています。

始めるのに必要なもの

VPSが要ります。 「single binary」と書かれていますが、実際には PostgreSQL と Redis が必要です。月数百円の共有レンタルサーバーでは動きません。

メモリは2GB以上を見てください。Docker が使えれば、次の1行で立ち上がります。

docker compose -f docker-compose.jp.yml up -d --build

初回はビルドに10分前後かかります。起動後、翻訳が正しく配信されているかはコマンドで確認できます。

$ curl -s http://127.0.0.1:18355/api/v1/lang/ja-JP
globals.messages.add = 追加
globals.terms.read   = 既読

共有サーバーしか無い場合

LibreDesk は動きません。その場合は FreeScout のほうが適しています。当社で日本語導入キットを出しています。

  FreeScout LibreDesk
動く場所 共有レンタルサーバー可 VPS必須
必要なもの PHP + MySQL Go + PostgreSQL + Redis
ライブチャット なし あり
ヘルプセンター なし あり
AI一次対応 なし あり
ライセンス AGPL v3 AGPL v3

メール対応だけで足りるならFreeScout、チャットとヘルプセンターまで欲しいならLibreDesk、という分かれ方です。LibreDesk のほうが機能は広く、その分サーバーの要求も上がります。

入手経路3つ

経路1: 無料(GitHub・AGPL v3)

日本語版のソースです。翻訳の中身も確認できます。

経路2: 導入手順書 5,500円

構築して踏んだ落とし穴をまとめました。ポート衝突で起動しない件、日本語が本当に出ているかの確認方法、設定を1行間違えるとライブチャットだけ動かなくなるnginx設定など。ソフト本体は含みません(無料で入手できます)。買っていただくのは動く状態にするまでの時間です。

経路3: 構築を任せる 110,000円〜

ライセンスについて

AGPL v3 です。自社で使う分に制限はありません。改変してネットワーク越しにサービス提供する場合は、利用者へのソース提供義務が生じます。SaaSとして他社に提供する予定がある場合は、事前に条文を確認してください。

まとめ