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会社案内リーフレットを、元エステサロン経営者と元不動産経営者に直された——AIが書いた「正しい会社案内」が、売る人には刺さらなかった3つの理由

2026年9月11日

名古屋でAIシステム開発の会社をやっています。会社案内のA4リーフレットを、AIエージェントに作らせました。事実は正確で、数字も実測値で、誇張もありません。

そのまま印刷する前に、元エステサロン経営者と元不動産経営者の2人に見てもらいました。どちらも自分で店や物件を売ってきた人です。返ってきたのは3か所の指摘で、そのどれもが「事実としては合っているが、売る側の視点が抜けている」という種類のものでした。

直した前後の文面をそのまま載せます。最後に、そのリーフレットをWebで配れて印刷もPDFもできる形にするまでの実装も書きます。

1. 最初にAIが書いたもの

指示したのは「A4 1枚、強いインパクトで、できることを伝える。詳細はHPへ。対象は中小・中堅企業と政党・議員事務所」。出てきた見出しがこれでした。

「作れます」ではなく、もう作ってあります。

AIで業務システムを作る会社で、その証明として自社製品46本を買い切りで売っている——という構成です。数字は実測で拾いました。kappstoreの catalog.jsonproduct_count が46、OSSカタログの掲載数が2,855件、買い切りの月額が0円。

自分では悪くないと思っていました。同業が全部「AIで作れます」と言っている中で、「もう作ってある」は差別化になる。事実でもある。

2. 指摘された3か所

指摘1「自社で使っている、では弱い」

書いていたのはこれです。

自分たちが実際に使って作っています。 提案する道具は、まず当社の業務で回してから商品にしています。

言われたのは「それだと、自分のところだけで使っているおもちゃに見える」。実際には、お客様の現場に導入したものを汎用化して製品にしたものもあれば、製品化してから買っていただいて動いているものもあります。自社利用だけを書いたせいで、いちばん強い事実を自分で隠していたわけです。

直したあとがこれです。

机上の製品はありません。 販売しているものは、① 担当者としてお客様の現場に導入したものを汎用化して製品にしたもの、② 製品化したあとにご購入いただき、お客様の環境で動いているもの、③ 当社自身が毎日の業務で使っているもの——この3つのどれかです。

3つに分けたのがポイントでした。「導入実績あり」と一言で書くより、どういう経路で実際に動いているのかを構造で見せたほうが、聞かれたときに全部答えられる。数を盛る必要もありません。

指摘2「AI企業だと、ひと目で分からない」

「『もう作ってあります』は言葉としては面白いが、何の会社か分からない。AIでやっている会社だと分かる見出しにしたほうがいい」。

こう変えました。

AIエージェントで、爆速・激安。
システム開発と業務自動化。

「爆速・激安」は自分では少し品がないかと思っていた表現です。ただ、言うだけなら誰でも言える言葉だからこそ、直後に事実を置けば効く。リード文の先頭を太字にして、こうしました。

「作れます」ではありません。すでに46本、作って売っています。 人が何か月もかけていた開発を、AIエージェントが担います。だから速く、安い。買い切り55,000円から、月額なし、ソースコード込みでお渡しします。

元の見出しは消さずに、証拠として下に降ろした形です。見出しで掴んで、次の一行で裏を取らせる。

指摘3「速いなら、どれくらい速いのか書け」

「爆速と書くなら数字を出せ」。当然の指摘でした。

当社は最短1営業日で動く業務システムをお見せしています。実際、この記事を書いている前日にも、住所を入れると建築基準法39条の災害危険区域を判定するシステムを1日で作って公開しました。それを書いていませんでした。

数字ボックスの1枠をMITライセンスから差し替えて、こうしました。

46本 2,855件 0円 最短1営業日
自社開発・販売中の業務システム 実測して掲載したOSSカタログ 買い切り製品の月額費用 動く業務システムをお見せするまで

カード側の本文にも入れました。

最短1営業日で、動く業務システムをお見せします。 仕様書を待たずに、まず動くものを見てから決められます。

ここで大事だったのは、1営業日の価値を「安い・速い」ではなく「発注を決める前に実物を見られる」と書いたことです。相手の頭にある「要件定義に何か月」という前提を壊すのが目的で、単価の話ではありません。

3. AIの会社案内に足りなかったもの

3つの指摘に共通していたのは、AIは「正確に書く」ことはできても、「誰が何を疑うか」を知らないということでした。

どれも、売った経験のある人の頭には最初から入っているものです。エステサロンも不動産も、扱う商材はITとまったく違いますが、「人に買ってもらう」という一点では同じでした。AIに書かせた原稿を、売った経験のある人に一度通す。この工程は外せないと思いました。

4. Webで配れて、印刷もPDFもできる形にする

直したリーフレットを、紙だけで終わらせるのはもったいないので、Webページにもしました。営業パートナーの方がそのまま配れる形が目標です。

印刷用CSSの落とし穴

@media print でA4指定をして、headless Chromeで確認したところ、2ページのつもりが4ページになりました。原因はレスポンシブ用のメディアクエリです。

@media(max-width:900px){
  .grid3,.grid2{grid-template-columns:1fr}
}

A4用紙の幅はCSSピクセルで約794px。印刷時もこの「モバイル用の1カラム指定」が効いてしまい、3段組みが縦積みになって用紙からあふれていました。印刷ブロックの中で段組みを明示的に戻して解決しました。

@media print{
  @page{size:A4;margin:12mm 12mm 10mm}
  /* 用紙幅は約794pxなので、上のモバイル用1カラム指定が効いてしまう */
  .grid3{grid-template-columns:repeat(3,minmax(0,1fr))}
  .nums{grid-template-columns:repeat(4,minmax(0,1fr))}
  .chk{grid-template-columns:repeat(2,minmax(0,1fr))}
}

これで3ページになり、フォントと余白を詰めて2ページに収めました。印刷結果は毎回headless ChromeでPDFに出し、pdfinfo でページ数を数えて確認しています。目視だけだと、1行はみ出しているのを見落とします。

画面では出さず、印刷したときだけ出るもの

2枚目は「お困りごとシート」です。IT・業務で困っていること、AIについて知りたいこと、見てみたいデモを、チェックボックスで選ぶ形にしました。

紙とWebで必要なものが違います。

そこで、記入欄は .print-only(画面では display:none、印刷時だけ display:block)にして、Web側にはチェック内容を集めてフォームへ渡すボタンを置きました。

function sendSheet(){
  var picked = [];
  document.querySelectorAll('#sheet .chk input:checked').forEach(function(i){
    picked.push('' + i.parentElement.innerText.trim());
  });
  location.href = 'https://exbridge.jp/contact.php?ref=leaflet-sheet&subject='
    + encodeURIComponent('お困りごとシート') + '&body=' + encodeURIComponent(
        'お困りごとシートで選んだ項目です。\n\n' + picked.join('\n'));
}

同じHTMLから、紙は手書き用、画面はワンタップ送信用になります。

代理店が配れるようにする

営業パートナーの方が配ることを想定して、「配る・配信する」ブロックを作りました。中身は3つです。

  1. 共有リンク?ref=partner 付き・コピーボタン)
  2. 紹介文のひな形(メール・SNSにそのまま貼れる文章・コピーボタン)
  3. QRコードとPDF(名刺やスライドに貼る用・A4両面でそのまま印刷できるPDF)

仕掛けとして、URLに ?ref= が付いていたら、ページ内の共有テキストのrefも自動でそれに置き換わるようにしました。

var ref = new URLSearchParams(location.search).get('ref');
if (ref && /^[\w-]{1,32}$/.test(ref)) {
  ['t-url','t-msg'].forEach(function(id){
    var el = document.getElementById(id);
    if (el) el.textContent = el.textContent.replace(/ref=partner/g, 'ref=' + ref);
  });
}

?ref=tanaka で開いた人がコピーボタンを押すと、コピーされるリンクも ?ref=tanaka になります。渡した人が何も設定しなくても、紹介元が引き継がれて計測できます。正規表現で形を絞っているのは、URLに何を入れられても壊れないようにするためです。

AI検索向けの準備

会社案内は「この会社は何をしているのか」をAIに聞かれたときに引かれるページなので、構造化データを3つ入れました。

FAQPageは、AI検索が回答をそのまま抜き出せる形なので、紙のリーフレットには書かなかった「疑問への答え」をここに全部書いています。紙は面積が限られますが、Webページにはその制約がありません。同じ内容でも、媒体ごとに載せる量を変えられます。

5. まとめ

実物はこちらです。PDFのダウンロードと印刷ができます。中身への指摘も歓迎です。