ケアマネ事業所は1年半で3,146か所が公表データから消えた——訪問介護は3,242か所。差し引きの数字では見えない
訪問介護とケアマネ事業所を、住所から探せる道具を作りました。作る途中で、合計の数字だけ見ていると見えないものが1つありました。
- できたもの: https://kurage.exbridge.jp/kkaigo.php/?ref=vwork-kkaigo
- 消えた事業所のページ: https://kurage.exbridge.jp/kkaigo.php/gone?ref=vwork-kkaigo
- オンプレミス版: https://kappstore.exbridge.jp/app.php?id=57aebd041b7bab37&ref=vwork-kkaigo
データは厚生労働省が出しています
「介護サービス情報公表システム」のオープンデータを、サービス種別ごとのCSVで配っています。営利・非営利を問わず二次利用できる公開データで、毎年6月末と12月末の時点のものが出ます。
今回入れたのは、訪問系とケアマネです。
| サービス | 事業所(2026年6月末) |
|---|---|
| 訪問介護 | 35,166 |
| 居宅介護支援(ケアマネ事業所) | 36,212 |
| 定期巡回・随時対応型訪問介護看護 | 1,516 |
| 夜間対応型訪問介護 | 204 |
合計73,098事業所。緯度経度が全件入っているので、住所からの距離がそのまま出ます。訪問看護は入れていません。別の道具(khokan)にあります。
「定員」の列を読んではいけませんでした
先に失敗を書きます。訪問介護に定員はありません。CSVの「定員」列には0が入っているのだと思って、そのまま読み込んで集計しました。すると画面に「定員 計40,842,988人」と出ました。4千万人です。
中を見ると、0以外の値がかなり入っていて、定員とは別の何かでした。厚労省のデータ定義書には「定員」としか書いてありません。分からないものを画面に出すわけにはいかないので、この列は読まないことにしました。訪問系とケアマネには、定員という考え方そのものが無い、と画面に書いています。
前に放課後等デイサービスの道具を作ったときは「公表件数の増加は事業所の増加ではない」を学びました。今回は「列の名前を信じるな」でした。
時点は2つしかありません
このデータは公開ページに直近2回分しか残りません。いまあるのは2024年12月末と2026年6月末です。半年ごとの推移は、これから積み上げるしかない。落としたCSVは捨てずに残す作りにしました。
だから「消えた」は、この1年半の1区間の話です。画面には期間を必ず書いています。
差し引きの数字では、見えませんでした
2時点を並べると、こうです。
| 2024年12月末 | 2026年6月末 | 差し引き | |
|---|---|---|---|
| 訪問介護 | 34,499 | 35,166 | +667 |
| ケアマネ事業所 | 36,488 | 36,212 | −276 |
訪問介護は増えて、ケアマネは少し減った。それだけなら「介護は横ばい」で終わります。
前の時点に載っていた事業所番号が、次の時点に載っていないものを数えました。
訪問介護は3,242か所、ケアマネ事業所は3,146か所が、1年半で公表データから消えていました。
訪問介護は、消えた数より多い数が新しく載ったので、差し引きが増えています。ケアマネ事業所は、新しく載った数が消えた数に届かず、減っています。どちらも、10か所に1か所くらいが1年半で入れ替わっている計算です。
合計の増減だけを見ていると、この入れ替わりは見えません。市区町村ごとに、消えた事業所の名前と法人名が一覧で出るようにしました。
訪問介護が1か所も無い市区町村が88ありました
事業所が1つでもある市区町村を数えたうえで、その中で訪問介護が0の自治体を数えると、88ありました。ケアマネ事業所が無い自治体は7です。
「訪問介護の報酬を上げる」「ヘルパーの移動時間に報酬をつける」という議論は、この88の自治体でいちばん切実です。移動時間が長い地域ほど事業所が残りにくい。データは、そういう地域がどこかを、市区町村名で出せます。
法人ごとにも見られるようにしました
ケアマネ事業所が消えた数の多い法人は、ニチイ学館24、HITOWAケアサービス13、SOYOKAZE13、ツクイ13でした。大手の整理です。
ただし前にも書いたとおり、消えた数だけを見てはいけません。いまの数と並べます。消えた数が多くてもいまの数がそれ以上に多い法人は、再編で番号が付け替わっただけかもしれない。消えた数が多くていまの数が少ない法人は、撤退の色が濃い。どちらなのかは公表データには書かれていないので、画面は2つの数を並べて、断定しません。
法人番号には空欄やゆれがあるので、法人は正規化した法人名で束ねています。これも前の道具と同じです。
できたもの
住所を入れると、近くの訪問介護とケアマネ事業所が距離順に出ます。利用できる曜日、電話、サイト、運営法人、共生型(高齢者と障害者が一体で使えるサービス)の別。
- 都道府県ページ47、市区町村ページ1,700超(政令市と東京23区は区ごと)
- 事業所ページ73,098、法人ページ
- CSVとJSON API、sitemap.xml、llms.txt
PHP 1ファイルとSQLiteで動きます。判定は置いた場所で完結して、外部のAIやAPIには何も送りません。
空き状況は出しません。 公表データに無いからです。受けてもらえるかは、事業所か地域包括支援センターに聞くしかありません。
厚労省のデータを取り込んで公開するまで、AIを使って1人で2時間ほどでした。同じ型の道具が3つあったからです。オンプレミス版をソースコードと更新用スクリプトごと出しています。
https://kappstore.exbridge.jp/app.php?id=57aebd041b7bab37&ref=vwork-kkaigo