衆議院 選挙区289を1ページずつ——小選挙区ダッシュボード(土砂災害・避難所・訪問介護・一票の格差)を公開しました
衆議院の小選挙区289について、その区域にある公開データを1ページに並べる道具を作りました。土砂災害警戒区域、避難場所、津波の想定、訪問介護とケアマネ事業所、放課後等デイサービス、障害者グループホーム、学童保育の待機児童、それに有権者数と一票の格差です。
- 一覧: https://xb4g.com/giin/senkyoku?ref=vwork-senkyoku
- 例(神奈川11区・横須賀市と三浦市): https://xb4g.com/giin/senkyoku/kanagawa-11?ref=vwork-senkyoku
なぜ選挙区なのか
うちには住所から引ける道具がいくつかあります。土砂災害警戒区域、洪水・内水の浸水想定、津波、避難所、訪問介護・ケアマネ事業所、放課後等デイ、グループホーム、学童保育。どれも国か都道府県の公開データを、住所と市区町村で引ける形にしたものです。
国会議員に見せるとき、この「市区町村」が合いません。議員が見ている単位は選挙区です。横須賀市と三浦市は神奈川11区、名古屋市の東区・北区・西区・中区は愛知1区。同じ市でも区で分かれます。だから、市区町村の数字を選挙区の区域で足し直しました。
神奈川11区の例
| 項目 | 数 |
|---|---|
| 有権者数 | 360,287人(一票の格差 1.627倍) |
| 土砂災害警戒区域 | 12,550区域(うちレッド 6,140) |
| 指定緊急避難場所 | 99か所(うち津波に対応 16) |
| 津波の浸水想定の中にある避難場所 | 38か所(市内最大 5m以上〜10m未満) |
| 訪問介護 | 97か所(1年半で公表データから消えた 5) |
| ケアマネ事業所 | 117か所(消えた 17) |
| 放課後等デイサービス | 68か所 |
| 学童保育の待機児童 | 30人 |
内訳は横須賀市と三浦市に分けて出ます。数字を押すと、元の画面(土砂災害ハザードマップや訪問介護ナビ)へ行けます。
9月21日の台風25号で、横須賀市では土砂崩れで亡くなった方がいます。横須賀市議の方に土砂災害ハザードマップの話を送ったのが、この道具を作った直接のきっかけです。
線引き
作るときに決めたことを書きます。
- 政令市の区や、町丁で分かれている市は、市全体の数と書く。 区で数えられるデータ(事業所は住所に区が入っている)は区で数え、市までしか無いデータ(避難場所・警戒区域・津波・学童)は市全体の数を出して、画面に「市全体の数(選挙区は市の一部)」と書きます。愛知1区の避難場所1,733か所は名古屋市全体の数です。
- 無いものは0と書かない。 その都道府県のデータを取り込んでいない項目は「収録なし」と出します。津波の想定は35都道府県、学童保育は指定都市・中核市等だけです。
- 「消えた」は廃止ではない。 前の時点の公表データに載っていて次の時点に無い事業所番号を数えたもので、休止や法人の再編で番号が変わったものも入ります。
- 要約も論評もしない。 出すのは公開データの表から機械的に足した数字と、元の画面へのリンクだけです。
区域の文をどう読んだか
区域は総務省の2022年の区割り改定のものです。市区町村の並びは「横須賀市、三浦市」のような文で書かれていて、これを市区町村名に落とすのに手間がかかりました。
- 「横浜市中区・磯子区・金沢区」は市と区に分ける
- 「北群馬郡」は郡の中の町村に展開する(Geolonia の市区町村一覧を使いました)
- 北海道は「後志総合振興局管内」のように振興局で書かれているので、振興局から市町村への表を別に作った
- 「世田谷区南東部」「川口市(3区に属しない地域)」は町丁で割れているので、区全体・市全体の数にして印を付ける
- 龍ケ崎市と龍ヶ崎市のような「ケ」と「ヶ」を寄せる
- 浜松市は2024年に7区から3区に再編されたので、古い区名の一覧では引けない。事業所データの住所から新しい区名を取った
289区で、市区町村名に当たらなかったものは0になるまで直しました。
議員の名簿
各選挙区のページには、その選挙区の衆議院議員の氏名・会派・当選回数と、衆議院の公式プロフィールへのリンクを出しています。衆議院の会派別名簿から取った最低限のものです。愛知の16区だけは、うちの議員発言ログ(国会での質疑を日付と会議名で引ける)につながっています。
作り
PHP と SQLite だけで動きます。集計は Python のスクリプト1本で、各製品のデータベースを足して2つの表を作ります。毎日の更新ジョブに入れたので、元の製品のデータが更新されれば選挙区の数字も追いかけます。
出典はページの下に全部書いてあります。国土数値情報、国土地理院、各都道府県の津波浸水想定、厚生労働省の介護サービス情報公表システム、WAM NET、こども家庭庁、総務省の区割り。
これで何が言えるか
「自分の選挙区で、訪問介護が1年半で何か所消えたか」を、事業所名まで辿れる形で出せます。「自分の選挙区の避難場所のうち、津波の浸水想定の中にあるのは何か所か」も出ます。数字は全部公開データなので、議員の側で検証できます。