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電子カルテ義務化はいつからか、法律と国会の議事録で確かめた——オープンソースの電子カルテは本命になるのか

2026年10月1日

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動物病院向けのオープンソースの電子カルテ(OpenVPM)を日本語化したあと、「人の病院はどうなのか」が気になって調べました。病院はどこも電子カルテだと思っていたのですが、そうでもありませんでした。

調べた結果と、それをもとに作ったものをまとめます。

電子カルテの普及率

厚生労働省の医療施設調査(令和5年)では、電子カルテを入れている割合はこうでした。

大きな病院はほぼ入っていますが、診療所の半分近くはまだ紙です。厚生労働省の資料では、未導入は診療所が約4.7万、200床未満の病院が約3千とされています。

「義務化」で決まっていること

政府の工程表(令和5年6月 医療DX推進本部)には「遅くとも2030年には概ねすべての医療機関」で電子カルテの導入を目指す、とあります。

法律にも入りました。2025年秋の国会で医療法等の改正案が修正され、地域医療介護総合確保法 第12条の3第4項に次の規定が加わっています。

政府は、令和12年12月31日までに、電子カルテの普及率…が約100%となることを達成するよう、…医療機関の業務における情報の電子化を実現しなければならない。

読んでみると、義務を負っているのは政府です。医療機関ごとに導入を罰則つきで義務づける規定ではありません。「電子カルテ 義務化」は月880回検索されていますが、条文を読むと、医療機関に直接かかる義務ではないことがわかります。

「なぜ100%ではなく約100%なのか」は、2025年12月4日の参議院厚生労働委員会で田村まみ議員が修正案の提出者に聞いています。提出者の伊東信久議員は、「できる限り多くの医療機関なんですね、個々の医療機関に電子カルテを導入していただけるよう、一〇〇%とせずに約一〇〇%としたもの」と答えていました。

標準型電子カルテと認証製品の予定

厚生労働省の資料(令和8年3月12日)と、同省の検討会の報道から拾った予定です。

国の方針ははっきりしていて、「カスタマイズしたオンプレ型から、クラウド型で安いものへ」です。

オープンソースの電子カルテは本命になるか

ならない、というのが結論です。

どれも国の認証制度が想定するクラウド型の製品ではありません。稼働実績やセキュリティ認証の要件を、自院のサーバーに置くオープンソースで満たすのは現実的ではありません。

検索需要もはっきりしていました。キーワードプランナーで測った月間の検索回数です。

調べられているのは制度のほうで、オープンソースの電子カルテを探している人はほとんどいません。動物病院には国の制度も認証もないので、OpenVPMの日本語版が成り立ちます。人の医療はそうではない、という違いです。

作ったもの

調べた結果から、次の3つを作りました。

  1. 国会トラッカー「電子カルテの普及と標準型電子カルテ」。国会会議録検索システムのAPIで、標準型電子カルテ・電子カルテの普及・義務・情報共有サービス・標準化に触れた2010年以降の発言を集めました。462件(質疑204件、政府の答弁241件)あり、2025年だけで168件です。上の「約100%」のやりとりもここから見つけました
  2. 「電子カルテ義務化はいつから?」のページ。決まっていること、まだ決まっていないこと、紙カルテの診療所がいま選べる道を整理しました。急いで高いオンプレ型を入れる必要はなく、標準型と認証製品が出そろうのを待つのが確実だ、と書いています
  3. オープンソースのカタログにOpenDolphinを追加。OpenEMRの説明も、日本で使える範囲がわかるように直しました

電子カルテの本体は国の標準型か認証製品を選ぶのが確実です。当社がお手伝いできるのは、予約受付や院内会議の記録、レセプトの点検と取り込みのように、電子カルテの外側にあって制度と切り離せる業務です。

出典