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ブロードリスニングに取り組む自治体を調べた——田川市・堺市・大阪府・岩手県・渋谷区・宇多津町・横浜市、使った仕組みと首長の発信

2026年10月12日

この記事は バイブコーディング的仕事ブログ(VWork Blog)へ移りました。 最新版はこちらです → https://exbridge.jp/vibeblog/2026-10-12-broad-listening-jichitai-chosa.html

名古屋でAIシステム開発の会社をやっています。前の記事で、福岡県田川市のブロードリスニングを調べました。

田川市のほかに、ブロードリスニングに取り組んでいる自治体はどこか。何に使い、どの仕組みを選び、首長はそれをどう発信しているのか。各自治体の公式発表と報道を読み、首長のXも確かめました。2026年10月12日時点でまとめます。

1. 見つかった自治体(7つ)

福岡県田川市

大阪府堺市

大阪府

岩手県

東京都渋谷区

香川県宇多津町

神奈川県横浜市

このほか、東京都の長期計画の意見募集にブロードリスニングが使われたという記事も見かけましたが、都の一次資料では確かめられなかったので、ここには入れていません。

2. 2つの型に分かれる

並べてみると、取り組みは2つの型に分かれます。

すでにある声をAIで整理する型:渋谷区(区民意識調査6,037件)、宇多津町(アンケート396件)、岩手県。集め方はこれまでどおりで、自由記述の読み込みと分類をAIに任せます。人が何日もかけていた作業が短くなる、という効果が分かりやすく、始めやすい型です。

新しく声を集め続ける型:田川市、堺市、大阪府、横浜市。専用のページやSNSで、住民が自分から書き込む場をつくります。集まる声の量は、告知の仕方と、書いたあとに何が起きるかで大きく変わります。

前者は「集めた声をどう読むか」の改善で、後者は「声をどう集め、どう返すか」まで含めた広聴そのものの作り直しです。

3. 使われている仕組みは3つ

どれも、意見を集めて、AIで話題ごとに整理し、見えるようにするところまでは共通しています。違いが出るのは、集めたあとです。田川市の聴くAIには、市がその後の検討を返す「進捗」の欄があります。

4. 首長本人が発信していたのは、田川市長だけ

XでAI、ハザードマップ、ブロードリスニング、広聴AI、Talk to the Cityなどの語を引き、直近1か月の投稿を調べました。首長本人がブロードリスニングの取り組みを発信していたのは、田川市の浦野市長だけでした。

ほかの自治体では、記者会見や市の公式ページで発表していても、首長のXでは見当たりませんでした。渋谷区長と宇多津町長は、Xのアカウントそのものを確かめられませんでした。

ブロードリスニングは、声を出してくれる人がいなければ始まりません。田川市で11日間に237件の声が集まった理由の一つは、市長本人が自分の言葉で「あなたの声を、AIが市政に届けます」と呼びかけたことだと思います。担当課の告知だけでなく、首長が自分で呼びかけるかどうかが、集まる声の量を左右しそうです。

5. どの自治体にも、まだ無いもの

調べた範囲では、どの自治体の取り組みにも、次の2つはまだありませんでした。

  1. 意見の割れ方と合意点:集まった声を話題ごとに分けて、共感の数を数えるところまではできています。ただ、賛成と反対がどう割れていて、立場をこえてどこなら一致できるのかを計算して見せているところはありませんでした。田川市長が会見で言った「少数の大きな声なのか、多数の声なのか」を見分けるには、ここが要ります
  2. 返したことの確かめ:田川市には「進捗」の欄がありますが、返した内容が集まった声とどれだけ合っているか、声を出した本人が自分の声の行き先をたどれるかまでは、まだ見えません

当社は、この2つのうち1つ目にあたるシステムを作っています。

「すでにある声を整理する型」の自治体には論点AIマップが、「新しく声を集め続ける型」の自治体には合意形成AIが、それぞれ次の一歩になると考えています。どちらも、自治体や議会が自分たちのサーバーに置いて、生成AIも外部のサービスに送らずに使える形で用意しています。

声を集めて地図にするところから合意をつくるところまで、デジタル民主主義のシステムを一つの流れで整理した資料もあります。

よくある質問

ブロードリスニングに取り組んでいる自治体はどこですか?

この記事で確かめたのは、福岡県田川市、大阪府堺市、大阪府、岩手県、東京都渋谷区、香川県宇多津町、神奈川県横浜市の7つです(2026年10月12日時点)。すでにある自由記述をAIで整理する自治体と、新しく声を集め続ける自治体があります。

自治体のブロードリスニングでは、どんな仕組みが使われていますか?

DD2030がオープンソースで公開している広聴AI(渋谷区・宇多津町)、株式会社LiquitousのLiqlid(堺市・大阪府)、一般社団法人Manikenの聴くAI(田川市)の3つが使われていました。

ブロードリスニングとパブリックコメントは何が違いますか?

パブリックコメントは、行政が示した案に対して意見を募る手続きです。ブロードリスニングは、テーマを広く取って自由に書いてもらった声をAIで整理し、どんな意見がどれくらいあるかを見えるようにする取り組みで、案ができる前の段階から使えます。

小さな町でもブロードリスニングはできますか?

できます。宇多津町は、総合計画のときのアンケートの自由記述396件をAIで整理しました。新しい場をつくらなくても、すでにあるアンケートの自由記述から始められます。