広告表現チェックツールを作った——ホームページの「No.1」「〇〇円〜」「見積無料」を、URLを入れるだけで景品表示法と業種の決まりで点検する
この記事は バイブコーディング的仕事ブログ(VWork Blog)へ移りました。 最新版はこちらです → https://exbridge.jp/vibeblog/2026-10-31-kokoku-hyogen-check-keihyoho.html
名古屋でAIシステムの開発をしている小嶋です。ホームページのURLを入れるだけで、広告表現を景品表示法・特定商取引法・業種ごとの許可の決まりに照らして点検するシステム「Kurage 広告表現チェック」を作りました。
Kurage 広告表現チェック(デモ・点数と件数だけを表示) https://proto.exbridge.jp/khyogen/#ref=vibeblog-khyogen
きっかけ:実績の数字が、会社の設立より前から数えてあった
ある生活関連サービスの会社のホームページを、SEOと安全面で診断していたときのことです。「累計10,000件超(2015-2025)」という実績の表示がありました。ところが、その会社の設立は2023年です。
前身の事業や代表者の個人事業の実績を含めているなら、問題ないことが多いのですが、そう書かれていないと、お客様は根拠を確かめられません。景品表示法では、内容を実際より良く見せる表示(優良誤認)として問われることがある書き方です。
水道修理・害虫駆除・鍵・不用品回収は、高額請求のトラブルが多い分野として、消費者庁や国民生活センターが繰り返し注意を呼びかけています。「地域No.1」「最安」「〇〇円〜」「見積無料」の書き方は、それだけ見られやすい業界です。そして業種によっては、表示に法律の決まりがあります。不用品回収なら一般廃棄物の許可、買取なら古物商の許可、「水道局指定」ならどの自治体の指定か。
こういうことを、サイト全体を見て点検できるシステムはあるのか。調べてみました。
広告表現のチェックツールは、薬機法向けが多い
AIで広告表現をチェックするツールはいくつもあります。ただ、調べた範囲では、主な買い手は化粧品・健康食品・ECで、広告の文章を貼り付けて薬機法を中心に見る使い方がほとんどでした。
空いていると感じたのは、次の3つです。
- 業種ごとの決まりの違い:生活関連サービスの許可の表示、医療広告ガイドライン、不動産の公正競争規約、士業の広告規程。守る決まりは業種で違います
- サイト全体を見る:貼り付けた1文ではなく、サイトを巡回して全ページを見る
- 数字の裏付け:実績の年数と、会社の設立・創業の年の食い違い。言葉の言い換えでは見つからない種類の問題です
Kurage 広告表現チェックがすること
URLを入れると、同じドメインを最大30ページ巡回し(robots.txt に従います)、業種を判定して、次のことを点検します。
- No.1・最上級の表示:「地域No.1」「業界最安」「業界初」「満足度◯%」の近くに、調査の主体・時期・対象の注記があるか。消費者庁が2024年9月に出した「No.1表示に関する実態調査報告書」に沿っています
- 料金の表示:「〇〇円〜」の近くに、出張費・深夜料金・部品代などの注記があるか。「見積無料」「出張費0円」の条件、「通常価格」との比較の根拠
- 実績の数字:「累計◯件(2015-2025)」「創業◯年」が、サイトに書かれた設立・創業の年と食い違っていないか
- 効果の言い切り:「完全駆除」「二度と出ない」「100%」
- 評価の数字:「★4.9」などに、時点と件数があるか
- 許可・登録の表示:一般廃棄物の許可、古物商の許可、水道局指定の自治体、建設業の許可
- 事業者の表示:名称・所在地・電話番号、ネットで申し込みを受けるときの「特定商取引法に基づく表記」
指摘の1件ごとに、ページのURL、該当箇所の前後の文、根拠(e-Gov 法令検索の条文と、消費者庁のページ)、なぜ確かめるか、直し方を付けます。
決めたこと:AIに判定させない、「違反」とは言わない
判定は規則だけで行い、生成AIは使いません。 同じサイトなら、いつ診断しても同じ結果になります。AIに「この表現は問題ですか」と聞くと、聞くたびに答えが変わり、根拠も示せません。点検の道具としては、それでは使えません。
「違反」「違法」とは言いません。 出すのは「確かめたほうがよい表現」と、根拠の条文・ガイドラインまでです。法的な判断は弁護士や所管の行政機関の仕事で、システムがそこまで踏み込むと、弁護士法72条(弁護士でない者が法律事務を扱うこと)に触れかねません。
決まりは業種ごとのデータ(JSON)にしてあるので、業種を足すときにプログラムは触りません。
実際のサイトにかけて、誤検知を4つ直した
作った規則を実際のサイトにかけると、狙いどおり「地域最安値クラス」や「3,000円〜」を拾った一方で、拾ってはいけないものも拾いました。
- 業者選びの解説記事にある「クレジットカード決済に対応していることも多い」を、ネットで申し込みを受けている証拠と見なした
- 「確定価格」の中の「定価」を、二重価格の表示と見なした
- 「利用者の満足度が高い業者を選びましょう」を、評価の数字と見なした
- 施工事例の「約55分で完全駆除を完了しました」を、効果の言い切りと見なした
それぞれ規則を絞り、誤検知した文をそのまま検査の見本に入れました。いまは「拾うべき見本」と「拾ってはいけない見本」を合わせて35件の検査があり、規則を直すたびに全部が通ることを確かめています。規則を足すときも、見本を先に足してから直す決まりにしています。
本文が読めないサイトは、点数を出さない
もう1つ、別の会社のサイトで分かったことがあります。サイト制作ツールで作られたそのサイトは、サーバーが返すHTMLに本文が23字しかありませんでした。ブラウザでJavaScriptを動かしてから本文を表示する作りだからです。
このまま点検すると、指摘が0件で「満点」に近い点数が出てしまいます。そこで、本文がほとんど読めないサイトは点数を出さず、「表現を点検できない」と知らせるようにしました。これは広告表現の問題ではありませんが、検索エンジンの一部やChatGPTなどのAIも、同じようにHTMLだけを読みます。お客様にとっては、そちらのほうが大きな問題かもしれません。
当社の診断システムの3本目
URLを入れて診断するシステムは、これで3本になりました。
- Kurage Security Check:外から見える守り(https・古いPHPやWordPress など)
- Kurage Track & GEO & SEO:検索とAI検索への対応
- Kurage 広告表現チェック:広告表現と、業種の決まり
ホームページは、見た目がきれいでも、守り・集客・表現のどこかで損をしていることがあります。3本とも、レンタルサーバーにPHPを置くだけで動きます。
Kurage 広告表現チェック(Kurage App Store・税込110,000円) https://kappstore.exbridge.jp/app.php?id=cb0b3c587a75fc8a#ref=vibeblog-khyogen
税別10万円以上のご購入には、5時間以内の導入支援・カスタマイズサポート(リモート)が付きます。御社の業種に合わせた決まりを足すこともできます。
次に足す業種は、美容・エステ、クリニック・歯科(医療広告ガイドライン)、不動産(公正競争規約)、士業の順を考えています。
関連する記事
ホームページの脆弱性を、URLを入れるだけで診断するシステムを作った https://exbridge.jp/vibeblog/2026-10-24-website-zeijakusei-shindan-url.html#ref=vibeblog-khyogen
見た目はきれいなのに、集客も守りも弱い。中小企業21社のホームページを診断して分かったこと https://exbridge.jp/vibeblog/2026-10-24-homepage-shukyaku-security-21sha.html#ref=vibeblog-khyogen
ホームページの点検と直しは、AI-IT顧問・AI-SNS顧問の時間の中でも引き受けています。
AI-IT顧問 https://exbridge.jp/ai-it-komon.html#ref=vibeblog-khyogen
AI-SNS顧問(ホームページとX) https://exbridge.jp/ai-sns-komon.html#ref=vibeblog-khyogen