「AIが来るほどモーターが売れる」——永守重信がAI時代に見出した逆張りのビジネス哲学
日本電産(現ニデック)創業者の永守重信は、AIブームを「モーター産業の第二創業」と捉えた経営者だ。AI向けデータセンターの急拡大により冷却用ファン・ポンプの需要が激増し、ヒューマノイドロボットの実用化が進むなか、永守は「AIが普及すればするほどモーターの需要は増える」と繰り返し主張してきた。ニデックはAIサーバー向け冷却モジュールや、ロボット関節用精密モーターの開発を加速させ、AI時代をソフトウェアではなくハードウェアの側から支える戦略を打ち出した。業績が低迷した時期においても、この軸足はぶれなかった。
「すぐやる、必ずやる、できるまでやる。これを守れない人間に、AIの波には乗れない」と永守は語り、スピードと執念の経営姿勢こそがテクノロジー激変期を生き抜く条件だと説いた。
AIを「脅威」ではなく「自社製品の需要拡大装置」と読み替えた永守の視点は、変化の波に乗る方法は一つではないことを示している。自分の強みから時代を再定義する発想が、新しい機会を生む。
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