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「kintone」というキーワードで戦えるのか——作る前にキーワードプランナーで測った記録

2026年8月17日

製品を作ってから売り先を探すのを、今回はやめました。先に検索需要を測って、測った結果に合わせて作りました。Google広告のキーワードプランナーで実測した数字を、全部そのまま公開します。

きっかけは「officecliで検索してくる人は顧客じゃない」

うちはAI OSSの日本語解説サイトを運営していて、そこに検索流入があります。Search Consoleで90日ぶんを数えたら、こうでした。

流入はある。ただ、ここで手が止まりました。OfficeCLIで検索する人は「自分で作る人」であって、業務システムを買う人ではありません。開発者向けの記事にいくら人が来ても、55,000円の製品は売れない。

では、買う人はどんな言葉で検索しているのか。それを推測ではなく測ることにしました。

使った道具:Google広告のキーワードプランナー

Google広告のAPIから、日本語・日本国内の検索ボリュームと競合性、そして入札単価を取れます。うちは広告アカウントを持っているので、そこから引きました。

最初に測ったのは、素直に「業務システムっぽい言葉」でした。

キーワード 月間検索 競合 入札上限
予約システム 無料 1,900 1,835円
請求書 作成 無料 1,300 1,175円
勤怠管理 無料(システム) 880 1,556円

悪くない。でも競合が高い。もっと空いている場所を探して、次に「エクセル自動化」を測りました。ここで最初の発見がありました。

発見1:検索数が多い=売れる、ではない

キーワード 月間検索 入札上限
エクセル 日付 自動 9,900 3円
エクセル 曜日 自動 6,600 5円
エクセル 自動入力 720 391円

エクセル 日付 自動 は月9,900回。さっきの「予約システム 無料」の5倍です。喜びかけて、入札単価が3円なのに気づきました。

広告主が1円も払わない言葉は、その先に買う人がいない言葉です。この人たちは関数の書き方を知りたいだけで、システムを買いに来ていません。

ここで指標を切り替えました。ボリュームではなく入札単価で買い手を見分ける。

発見2:kintoneクラスタが、まるごと空いていた

商用意図のある言葉を探して、競合製品の名前を測ってみました。

キーワード 月間検索 競合 入札上限
kintone / キントーン 49,500 891円
キントーン できること 3,600 408円
キントーン と は 3,600 296円
kintone とは 2,900 374円
kintone 料金 2,400 469円
キントーン 価格 1,300 404円
サイボウズ キントーン 1,000 702円
キントーン 料金 880 522円
kintone 料金 高い 70 468円
サイボウズ 料金 260 543円

合計で月6万回超。しかもほぼ全部が競合「低」です。

そして検索者の正体が読み取れます。「kintoneとは」「できること」を調べている人は、まだ導入していない検討者です。技術者ではなく、業務担当や経営者。「料金」「価格」だけで月4,970回——これは予算を調べている、つまり購入直前の人たちです。

買う人が、月6万回、空いた場所で検索していました。

発見3:「買い切り」という言葉は検索されない

自社の強み(月額ではなく買い切り)で検索されているかも測りました。

「業務システムを買い切る」という概念が、世の中にまだ存在しません。

これは重要な制約でした。いくら「買い切りです」と叫んでも、その言葉で探している人はいない。相手が既に使っている言葉(kintone・料金・無料)で入って、記事の中で買い切りを教えるしかない。

ちなみに 脱エクセル は月210回・入札1,482円。ボリュームは小さいのに単価が高い=痛みを持った買い手がいる言葉です。これは拾いました。

測った結果、こう作りました

ここまでが調査です。以下が、この数字に合わせて実際に作ったものです。

1. 製品の範囲を、検索需要に合わせて決めた

「kintoneとは何か」を調べている人が欲しいのは、多機能なグループウェアではなく「ログインできて、見える範囲が人ごとに違う入れ物」です。だから製品の範囲を、認証・ユーザー管理・社員管理・共有スケジュールの4つに絞りました。日報や経費精算は入れていません。

2. 料金の比較を、公式の数字だけで組み立てた

kintone公式サイトの価格表をそのまま引くと、ライト1ユーザー月1,000円・スタンダード1,800円で、いずれも最低契約は10ユーザー(税抜)。5人の会社でも10ユーザー分を払うので、スタンダードなら年216,000円のうち108,000円が使っていない5人分になります。

この1点が、比較の芯になりました。推測を混ぜず、公式の数字だけで成立する話にしたのは、後で撤回したくなかったからです。

3. LP・記事・製品を、同じキーワードで揃えた

製品づくりの中身のほうは、noteに実録として書きました。定義ファイル33〜39行のアプリを4本、AIに書かせて足した話です。

反省:ボリュームで選びかけた

正直に書くと、エクセル 日付 自動 の9,900回を見たとき、一瞬「ここだ」と思いました。入札単価を見ていなければ、月1万回の検索がある言葉に向けて、誰も買わないページを作っていたはずです。

キーワード調査でボリュームばかり見るのは、たぶん多くの人がやっている失敗です。入札単価は「その言葉にお金を払う企業がいるか」の投票結果なので、買い手の有無を測るには一番素直な指標でした。

正直に:ここからは仮説です

測ったのは検索需要であって、成約ではありません。

数字が出たら、うまくいってもいかなくても、またここに書きます。

まとめ


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